楢戸健次郎 1965年入学
3.“Look ahead” 前を見よ、希望を持て。
8つの態度の最後は“Look ahead – And help other to look ahead”である。”Look ahead”をどう訳するか。私は自分流に2つの意味にとっている。一つは「目の前の現象だけでなく、その原因までも見極めよ。どうしてそうなったか、底に流れているものは何か。本質は何かを考えよ」ということだと思う。著者の説明も同様である。
“Look ahead”のもう一つの意味を、私は「前を見よ、明日に希望を持て」と勝手に解釈している。アジアの最貧国ネパールが抱える課題はエベレストよりも高く、多い。
政治が安定しない。首都カトマンズでさえ、多い時で16時間の予定停電。空気が汚い数百万人にも上る若者が外国に仕事に行かざるを得ない。識字率が低い。田舎に病院がない。そこまでたどり着く道路がない。医師がいない。薬がない。公教育がきちっとされていない。数え上げたらきりがない。でも、希望はある。資源らしきものはヒマラヤなどの観光資源以外何もないように見えるが、最大の資源は人である。ネパールには真面目で優秀な人が多い。この人たちが良く学び、国を思い、汗水流して働けば、時間はかかるが、必ず良き幸せな国になっていくと信じる。
学生によく話す。「今この世界はすべて出来上がった社会、自分の活躍する場がない
ように見えるかもしれないが、とんでもない。解決しなければならない問題はどの分野にも山とある。学べば学ぶほど問題が見えてくる。課題が見えないのは学ばないからだ。どの分野でもよい。誰も行かない道でもいい。自分が好きで、あとで振り返って悔いの残らないことを、これが自分の召命だと思うことを、コツコツ一生かかってやればよい。必ず道は開ける。道がなければ自分で道を創ればよい。Look ahead!」
プロフィール
氏名:楢戸健次郎(ならとけんじろう)
入学年・学部:1965年入 学 医学部
大学卒業後地域医療をめざし、家庭医の研修を受け、北海道で病院勤務後に診療所開設。2005年から日本キリスト教海外医療協力会から派遣されネパールで医療活動。
現在ネパール在住 医療活動中
NGO「クロス」ネパール代表
名前はペンネームでも構いません。
コメントをお書きください