私とSES第15回

田代 順孝 1967年入学

私は昭和42年に入学してSESというサークルを知った。入学前に英語を使って給料を貫える仕事に就いていたので喋ることに多少は慣れていた。

ディベートというのがあることを教えてもらい本格的に活動した。何しろ英語の論駁能力で相手チームと勝ち負けを競うという競技ということで非常に興味を持った。勝つためには練習と試合経験をつむ他に方法がなかった。確か対外試合は東京4大学、関東7大学、国立大定期戦だったと思う。優勝などとは無縁だった。
当時テレコと呼ばれていた7インチのリールテープを使った再生装置で”ガチャコン練習“と呼ばれた会話の基本練習と、テーマに合わせた“論理構成”の“練習”という二本立てだったと思う。この論理構成というやつが、実は後で思いもよらず役に立ったのだ。
5人一組で、与えられたテーマに対して肯定側、否定側の双方の立場で自分たちの論法を用意した。自分たちの言い分を通し、相手チームの主張を聞きながら、弱点を見つけて論駁するというのが試合法で、勝負判定は複数のジャッジによって行われた。しかも与えられた時間内に完結しなければいけなかった。
週2~3回、試合前は毎日練習した。開催校に出かけて行って“試合”をするということはとても緊張することであった。先輩の岡田さん、鈴木さん、横尾さん、同期の稲葉さん、大上さん、酒井さん、後輩の平松さん、宮里さんなど多くの部員の皆さんと苦楽をともにしたことを覚えている。

もう1つ私にとっての思い出深い活動はISA(国際学生協会)に関わって東京の有名大学のESSのメンバーと一緒に東南アジア諸国の学生と交流を深められたことである。これは先輩の穐田さんと一緒だった。当時主流であった慶応や早稲田、立教、青学などのESSの人々と日本に国際学生会議を誘致し、運営する仕事をやらせてもらった。会議のプログラムの企画、運営をはじめ、スポンサーになってくれる会社回りで寄付を集めるという仕事もやった。
実際に東南アジアの代表たちとのやり取りで、発音や言い回しに国々の特徴があり、いわゆる英会話が極めて多様であることを知らされた。英語を通じたコニケーションの難しさもこのときに感じはじめることが出来たようだ。
チームで仕事をする国際的なボランティア活動を続けられたのは貴重な経験をさせてくれたSESという”育ちの場“のおかげであったと思う。多くの先輩・同輩・後輩にかこまれ、育てられたというのが実感である。


プロファイル

田代 順孝(たしろ よりたか)
1967年入学 園芸学部 造園学科
1979年 東京大学大学院博士課程修了、工学博士(都市工学)
建設省土木研究所を経て千葉大学助教授、教授、2011年 名誉教授
International Federation of Park and Recreation Administration

(日本代表、世界の組織の役員として指名理事を務める、新組織 World Urban Parksの初代理事)
International Awards for Liveable Communities (理事、国際審査委員)などのボランティア活動を20年ほど務めている。

調査折衝等で訪問した世界の都市は200を超える。

名前はペンネームでも構いません。

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コメント: 1
  • #1

    安田正實 (土曜日, 20 6月 2015 07:21)

    田代君へ お元気に御活躍の御様子で嬉しくおもいます。わたくしも放送大学千葉学習センターに出かけて、老齢の元気をもらっています。グランドフェローなどにはかまけておられませんよ。世の中は面白いですね。吉川もこの前、面接授業をしていました。

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