看護学の変遷を語る

安酸史子 1981年入学

私の履歴と看護教育制度の変遷を重ね合わせながら、思いつくままに語りたいと思う。

私は千葉大学看護学部の7期生で卒業したのが昭和60年であるが、既に看護師として勤務したのちに看護学部に入学したため、1期生と同年代である。当時は看護系大学数は8校であったが、平成26年現在は看護系大学が235校、修士課程が146校、博士課程が72校と驚異的に増えている。

昭和59年に厚生省看護体制検討会が「看護体制の改善に関する報告書」を提出し、昭和62年に「看護制度検討会報告書」が提出された。平成元年に保健師助産師看護師法の「指定規則」が一部改正。平成46月に「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」が成立した。この法律が、その後の看護教育の4年制化の引き金となるのであるが、この法律成立に尽力されたのが、千葉大学時代の恩師の故見藤隆子先生である。

私は修士課程を修了した昭和62年に、順天堂大学浦安病院に就職するが、「うちでは看護師として雇用するので、大学院を出ていることも保健師を持っていることも必要ないので、3年目の看護師として扱うけど、それでも就職しますか?」と言われた。要は頭でっかちの看護師なんていりませんと言われたのである。そういう時代だった。育成会と看護協会のICN奨学金の合計500万円を返済しながら、働いた。看護の臨床は楽しかった。この時の3年間の臨床経験は宝物で、一緒に働いた看護師や医師、秘書さんとは今でも強い仲間意識がある。当時、「助手で雇用するのは30歳までがいい。大学院を出た人は使いにくい。講師で雇用するには研究業績が必要。」と知り合いの短大の教授から言われたことも覚えている。平成4年の「看護婦等の…法律」が成立していなければ私の現在はなかったと思う。平成2年に東京女子医科大学看護短期大学の成人看護学慢性期担当の助手としてなんとか雇用された時私は33歳だった。その後、見藤先生の推薦で、平成5年に36歳で岡山県立大学保健福祉学部看護学科助教授に就任した。教授のいない助教授ポストに助手経験がわずか3年の人間が就任したのである。今ではありえない人事である。成人慢性期看護学と精神看護学を担当し助手2名と一緒に、講義準備から講義・演習・実習調整まですべてこなした。とにかく必死に働いた。教員数が少なかったために大変だったが、その分束縛が少なく極めて自由になんでもさせてもらい、力をつけることが出来たと思う。半年間米国留学をし、東大の研究生になって39歳で博士号を取得。40歳で教授になった。43歳で福岡県立大学看護学部設立顧問。46歳で初代の学部長就任。53歳で理事という今では考えられないスピードで出世した。特急列車に乗ってしまって途中下車が出来ない状態で走ってきたというのが、正直な感想である。管理的な仕事よりも現場で仲間と汗を流すことが性に合っていると思っていたが、時代はそれを許してくれなかった。私はいつでもどこでも、「今ここでHere and Now」一緒にいる人と共に楽しく過ごすことを基本スタンスとしている。

看護界は誰もが目を見張る勢いで急成長し、私もその流れに乗ってきたが、足元を確かめながらこれから歩んでいかなければいけない時期になったと自覚している。現在は出身校の4年制化のために、防衛医科大学校医学教育部看護学科の初代学科長として働いている。いつまでたっても楽にできるミッションは私には与えられないようであるが、ストレスは人を成長させると信じて今日を生きている。

 

プロフィール

氏名:安酸史子(やすかたふみこ)

入学年・学部:1981年入学 看護学部

防衛医科大学校医学教育部看護学科教授, 学科長

成人看護学講座教授。防衛医科大学校で看護学科を作るということで、

20年ぶりに関東圏に戻る。

福岡に10年いた時に、焼酎学会に入会。現在は関東支部長。

猫と借家の一軒家に 二人暮らし。

名前はペンネームでも構いません。

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コメント: 2
  • #1

    老犬 (土曜日, 31 12月 2016 14:08)

    管理者の方に
    申し訳ありませんが、先生にご迷惑と思いますので、私の投稿は削除をお願いします。m(__)m

  • #2

    ウェブサイト管理人 (日曜日, 01 1月 2017 13:26)

    ご要望頂きましたのでコメントを削除しました。

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