■12月の目標
・インドネシアの新しい保健医療システムについてカンポン(都市下層民が暮らす村)で聞き取り調査を行う。カンポンに暮らすようになった理由を尋ねる。(既に1人は訪問した。周りの地域住民もその家に集まるので、聞く。)
・1月に訪問するインフォーマル教育、ストリートチルドレンの生活改善に取り組む団体や子供に質問することをまとめる。
■目標の達成度
・カンポンでの調査を目標にしましたが、実際にはレポートや試験の準備に追われてできませんでした。カンポン自体には3度赴き、人々の暮らしの様子をみました。(市場での買い物、家での食事、屋台での食事、道端でのお喋り)また、カンポンで都市研究をしている先輩とインドネシア駐在員の家族がしている移動図書館の様子も見ました。
この移動図書館では、子ども向けに絵本や児童小説を、母親向けに料理本などを楽しんでもらう試みです。私も子どもの頃毎週図書館に行っていたことを思い出しました。家でも学校でもない居場所であり、本を読むことで日常から冒険出来るところが図書館の良いところです。図書館のような施設が充実することも、豊かさを表す一つであると感じます。
・また、都市下層民の生活に興味を持ち、宮本謙介、小長谷一之『アジアの大都市(2)ジャカルタ』などの書籍や、関連する論文を読みました。こちらに来る前は実地調査が出来たら良いなと考えていたのですが、調査の仕方がわからないことや言葉の壁から、友だちに聞くことしか出来ていません。しかしこちらに4ヶ月生活して、インドネシアの社会階層が少し分かるようになってきました。例えば、インフォーマルセクターでも雑貨屋などはフォーマルセクターの最下層部より収入が良いことなどです。
■勉学の状況
Indonesian Economy
保健制度、教育制度、経済特区について学びました。毎授業の4分の3は学生によるプレゼンテーションなのですが、まとめ方がうまい人は本当に聞いていて分かりやすいです。私は論点が掴みやすいので日本のような講義スタイルも好きなのですが、人に分かりやすく説明できるようにすることは、内容の理解を深めるためにも効果的だと感じるので、帰国後もプレゼンをする授業も取りたいです。
Public Sector Economy
金融政策、財政政策、貿易について学びました。財政政策について、developed country, developing country, underdeveloped countryで適切な政策が異なることをそれぞれに属する国を挙げて論ぜよ、というレポートが難しかったです。
Development Economics
留学前は、経済モデルでは説明出来ないところを、現地で見てくるんだ!と意気込んでいましたが、私にはベースとなる考え方すら養われていないと気付きました。構造的な問題を理解するのならば、感覚で処理するだけでなく、学と結びつけて考えるべきです。当たり前のことなのかもしれませんが、今更身にしみて感じています。今までも授業の内容は理解しようと勉強していたのですが、生活の中で感じたことを学んだことに結びつけて考えることが不足していました。
Human Resources and Labor Economics
マレーシアやインドネシア人と一緒に学ぶことで、女性の働き方の違い、ワークライフバランスの考え方の違い、学歴と収入の相関の違いなどが分かって面白いです。例えば、インドネシアではメイド、乳母を雇う費用が比較的安い(友人の家では1ヶ月1万円)ので、高所得者層はメイドを雇って、母親は外で働いた方が利潤最大化につながると考える人も多いそうです。日本だと金銭的負担、保育園の不足から幼児が預けられず母親が働けないケースも多いのですが、それを話すとみんな驚いていました。
プロフィール
氏名:吉谷真子(よしたに まこ)
入学年・学部:2012年入学 法経学部
2014年度ESS部長
8月からインドネシア留学中(2015年1月迄)
名前はペンネームでも構いません。
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