インドネシア留学記 (10月報告)

 

吉谷真子 2012年入学

10月の目標

・子どもにものを乞われたときに渡すものを用意する+ただ渡すだけではなく会話をする(生活・遊び・学校・家族)・インドネシアの教育や社会保障の状況を改善するための政策を考え、まとめ、複数の教授・友人にアドバイスをもらう
To prepare goods which I give beggar children and to talk with them about life, play, school, families.
To make policies which will solve Indonesian Social security and educational issues and get advices from lecturers and friends.

 

■目標の達成度

一つ目の物乞いの子どもにお菓子や文具を配るという計画は、何回かものを乞われたときに飴やお菓子を渡したのですが、受け入れてもらえなかったため諦めてしまいました。彼らが欲しいのはお菓子ではなくお金のようです。二つ目の政策を練って人にアドバイスをもらうということは、政策にまとめるところまでできなかったのですが、アイデアベースでインドネシアの教育格差(地方・貧しい人)の解消のための奨学金・寄宿制度、余剰労働者を道路・環境整備に充てることについてどう思うか意見をもらいました。

インドネシア語は先月に引き続き、インドネシア人の友人とLINEでチャットをして練習し、文法は独学で学んでいます。

 

■考えたこと

物乞いの子どもにお菓子を断られて考えさせられたのは、貧困は、仕組みから見直さないと根本は変えられないということです。これまで貧困・格差に関する本を読んできて、学校のないところに学校をつくるような【現場の力】と、親が子どもに学校に行かせるように低所得者層向けの経済支援をするような【政策】の両方が必要なことをわかっていました。それで、自分にできることはないかと、お菓子や文具の寄附を考えたのですが、彼ら(子どもたち)と何の信頼関係もない、そもそも彼らが何に困っているのか、そもそも私達に何かをしてほしいと思っているかどうかも分からないのに渡すのは押し付けかもしれないなと思いました。それでも何かできることをしたいと思い、インドネシア人の友人に相談し、ストリートチルドレンの支援をする現地の団体の活動を11月に参加させてもらうことになりました。また、1月いっぱい、NICEという団体のストリートチルドレンの支援活動に参加することを計画しています。まずニーズを知りたいと思います。

また授業をよく聴き、書籍、論文を読み込むことで、マクロ的な視点で「なぜ貧困は悪いのか」「解決するには何が必要か」「相対的貧困と絶対的貧困」「効果的な政策」について考えを深めたいです。

 

■余暇

 

・ジョグジャカルタ・ソロ旅行

テストの後に、古都ジョグジャとソロへ旅行に行ってきました。ジョグジャの仏教寺院ボロブドゥール、ヒンドゥー教寺院と仏教寺院が集まっているプランバナン、ヒンドゥー教寺院チャンディ・サンビサリを見学しました。これらの建築は、モチーフにする題材(宗教上の登場人物)は違えど、石の組み方や動物の彫刻には似ているところがありました。本で調べると、それぞれの宗教の間に交流があったことを知り、異なる文化・考え方を持つ人々がうまくやっていくこと・協力し合うことが可能ではないかと思いました。(私の想像では、「人々を驚かせ、後世に残るようなすごい建築をつくりたい→ちょっと作り方教えて。→しょうがないな。じゃあそっちも何か技術を教えてくれよ。」)私がインドネシア留学を決めた理由の一つに、「多様性の国の中でどのように互いが理解しあい、共通する問題に協力して取り組むか」というものがあります。昔はこれができていたのかもしれないですね。しかし、もしかしたら協力関係ではなくて競争関係にあったかもしれません。(「向こうが何かすごいのを作っているらしいぞ。私たちも負けてはいられない」という感じです。私はあまり争い事が好きではありませんが、もし競争関係にあったとしても、民衆を巻き込んで戦争さえしなければ、技術を高めあっていくよい関係になるかもしれない、とも思いました。

 

ソロでは、郊外のスクー寺院を見学しました。山の上にある寺院で、気合を入れてオジェックというバイクタクシーを使わずに歩いて登りました。歩いた分だけ景色は格別でした。スクー寺院は、先ほどのボロブドゥールやプランバナンとは違い、なぜか南米のマヤ文明の遺跡に似たピラミッド型の建築様式です。そしてなぜだか性器が誇張された人?神様?の像が多くありました。比較的開けた土地にあるボロブドゥールやプランバナンとは違い、山の上にあるスクーの付近では、平地とは異なる自然の厳しさがあったのかもしれません。自然といつも隣り合わせの生活では、自然信仰・精霊信仰が栄えるのは、納得できると思いました。性器が誇張されたのも、安産を願い、出産という神秘的な現象を表したかったのかもしれません。食べていく、ということに直接的にはつながらない「文化」の面白さを実感した旅でした。食べるために生きるのか、生きるために食べるのかというのを思い出しました。旅から帰れば日常生活に戻り、日々の勉強や食べること・寝ることを繰り返す生活になりそうですが、時折、なんで生きているんだろうということを考えてみたいと思います。


9月にたまたま声をかけられてインドネシア大学でAsia Youth Forumという34日の会議に参加して、その時に仲良くなったジョグジャ在住の友達が案内してくれました。

 

ボロブドゥール。仏像の上の動物に注目

 

チャンディ・サンビサリ。ガネーシャの上の動物に注目


スクー寺院。左側のハート形のような彫刻の上にいる動物に注目

 

プロフィール

氏名:吉谷真子(よしたに まこ)

入学年・学部:2012年入学 法経学部

8月現在ESS部長 

8月からインドネシア留学中(20151月迄)

名前はペンネームでも構いません。

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