<今回の海外便りは特別版で現ESS部長の吉谷さんの寄稿です。インドネシア大学の留学試験に合格し、インドネシア政府の奨学金も獲得して8月にインドネシアに向かわれる予定です。留学前の気持ちを寄稿して頂きました。-----編集部注>
吉谷真子 2012年入学
暑い毎日が続きますが、私はこれから「常夏」の国へ行ってまいります。東南アジアにある、世界最大のイスラム国・・・インドネシアです。今年の8月中旬から来年の1月初旬までの約半年間、インドネシア大学の経済学部で開発経済学や労働経済学、社会保障の仕組みなどを学びます。千葉大学では現在Skipwise Programという、キャンパス内の留学生との交流や英語学習を充実させ、海外でのインターンシップやボランティア、留学の経験を積めるようなサポートが充実してきています。インドネシア大学にも千葉大のオフィスがあります。
インドネシアへ経済や社会保障を学びに行くというと、友人や周りの大人に「なぜインドネシアなのか」と聞かれます。そこでまず、なぜインドネシアなのかを話します。
私は大学に入るまで海外経験はありませんでしたが、小さいころから旅番組が好きで、『ウルルン滞在記』や『世界ふしぎ発見!』などを見て、海外を歩いてみたいと強く思っていました。中でも東南アジアやアフリカの暑そうな国々に、不思議と目を奪われました。
一方で、小学校高学年くらいになると、社会科の授業や総合の時間、テレビのニュースで、貧困の存在を知りました。「どうしたらみんなが幸せに暮らせるんだろう?」そして、父の実家が広島にあったため、原爆資料館を訪れる機会があり、授業で習った戦争について考えさせられました。「どうしてケンカで収まらないんだろう?どうしたら仲良くできるんだろう?」
このような素朴な疑問を抱き、大学は、社会の問題について学び、法学・経済学・政治学の分野から解決方法を探し政策を立てられるようになる―法経学部の総合政策学科を選びました。
大学で社会保障について学び、日本の中にも少子化、介護、買い物難民、生活保護などたくさんの問題があることが見えてきました。将来、日本でこうした問題の解決に取り組むか、それとも海外で国際協力をするのか悩み、大学の先生に相談したところ、アジアでの学びが日本の政策に生きることもありうるし、どちらに携わるかは今決めなくてもよいのではないか、とのアドバイスをいただき、今は経済発展段階にあるインドネシアの状況を肌で感じることで、人間が生きるために必要なことは何か考えてみたいです。(例えば、食べ物や、水、医療、教育、誰かの役に立っている喜びなどだと思います。)
東南アジアの国の中でもインドネシアに決めたのは、インドネシアが多様性の国だからです。宗教、言語、文化、民族など異なるバックグラウンドを持つ人々が暮らす国に制度をつくるとき、どのようなことに気を付けるべきなのか。利害関係にある人々がどのように折り合いをつけて生きているのか、それとも対立したままなのか。といったことを授業や現地の学生、そこに暮らす人々とのコミュニケーションを通して学びたいです。
現地では授業は英語ですが、買い物やタクシーでの会話はインドネシア語になります。私はインドネシア語が全くできないので今勉強しています。そして経済の基礎知識を復習しています。インドネシアへ行く間際になって、日本についてもあまり知らないことに気付き焦っており、それでも焦ってもしょうがないので、まずは興味のある分野から本を読んだりしています。
最後に、インドネシア留学および将来の進路について、アドバイスを下さったOBの桂井さんと桂井さんのお父様に感謝申し上げます。また、桂井さんに話をつないでくださった高橋さん、そして寄稿文を書く機会を下さった堀江さんにもお礼申し上げます。
プロフィール
氏名:吉谷真子(よしたに まこ)
入学年・学部:2012年入学 法経学部
現ESS部長
8月からインドネシア留学予定
名前はペンネームでも構いません。
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千葉恵一 (土曜日, 02 8月 2014 01:18)
吉谷さん、あなたより30年近く前に入学し、ESSに在籍した千葉というものです。初めまして。吉谷さんのコラムを読み、若いながらもしっかりした考えを持ち、インドネシア留学に飛び込む、という決心に感銘を受け、思わずコメントしています。私は学生時代、社会で起きている問題に興味を持ったこともなく、卒業後も、仕事の関係で、海外にも行っていますが(ここにコラムも寄せています)、その国のことをあまり知らずに過ごしてしまったなあ、と思っている次第です。留学中は、苦労もあると思いますが、将来振り返ると、得ることの多い体験にきっとなると思います。帰国後のコラムも楽しみにしています。頑張ってください。