1年でいちばん大切な日 クリスマス
石井和代 1963年入学
ドイツに住む何年も前、冬のドイツを訪れた。そのときは朝から晩までどんよりと暗い日で、なんと天気についていない日に当たったのかとがっかりした記憶がある。しかし住んでみると、これがドイツの冬の当たり前の天気だった。5ヶ月近く暗くて寒い日が続くのであるから、いささかうんざりする。ドイツ人が旅行好きといわれるのは、この憂鬱な天気から逃れたいのが原因の一つになっているに違いない。
そしてこの憂鬱を乗り越えるための行事としてクリスマスが考え出され、定着してきたのだと思う。クリスマスの1ヶ月前からドイツ中のあちこちの町や村の中央広場で「クリスマスマーケット」の市場が設けられ、クリスマスグッズや飲食店が建ち並びたくさんの人で賑わう。日本ではニュルンベルグのマーケットが最も有名である。
人々は毎年遠く離れた町まででかけ、その町独特のマーケットを楽しむ。クリスマスツリーを飾るのも楽しみの一つだ。クリスマス当日はツリーの下に用意したプレゼントを交換し、たくさんのご馳走を食べながらおしゃべりに興ずる。クリスチャンであろうとなかろうと関係ない。冬至と重なるこの時期を大いに楽しんでつらい冬を乗り越えるのである。ほとんどの人がクリスマスは1年でいちばん大切な日という。私はクリスマスが過ぎると、これからは昼時間の方が長くなってくるのだと思い、気分が明るくなるのである。
プロフィール
氏名:石井和代
入学年・学部:1963年入学、教育学部
ドイツ フランクフルト在中
名前はペンネームでも構いません。
コメントをお書きください
香取久子(1965教育学部入学) (日曜日, 09 3月 2014 23:44)
私も3年4か月デュッセルドルフの近くに住んでいたので、毎日の曇り空にはうんざりなのは同感です。1回ぐらい北欧から高気圧が来ると、普段の朝は1,2度ぐらいなのが、昼間でもー6℃ぐらいになるかわり、快晴になるのがとてもうれしく、ほとんどいつも晴れの東京の冬はなんとありがたいことかと思ったものでした。
3時半ごろから薄暗くなり始める冬の日に、にぎやかなイルミネーションのクリスマスマルクトを屋台で買ったグリューワイン(ハーブフレーバーのホットワイン)を飲みながら眺めるのは楽しいものでしたね。
23日の昼頃でお店が皆クリスマス休暇に入ってしまうので、食料品の買いだめなどしなくてはならないのは一昔前のお正月みたいなものでした。
千葉恵一(1983理学部入学) (土曜日, 07 6月 2014 16:12)
私が2009年から2012年まで過ごした北欧スウェーデンも、まさに同じです。5か月続く暗~い冬に本当にうんざりでした。我が家のあったスウェーデン・マルメ市からは、途中フェリーを使って、車でドイツに渡れたので、比較的近場のリューベックやハンブルクのクリスマスマルクト、そして2012年の最後のクリスマスはちょっと遠征してドレスデンのクリスマスマルクトを訪れました。寒さ、暗さを忘れる素敵なひと時ですよね。